白梅庵インタビューFile12:桜華
気になるアーティストを白梅庵が直接取材!ここでしか聞けない深掘り情報や制作秘話も!?
1ヶ月に1組をピックアップし、普段は聞けないアーティストの秘話を白梅庵が突撃インタビュー!
第12回目の今回は、11/5にclub MERCURYで主催イベント『BANQUET』を行う「桜華」(おうか)
開催10周年だという『BANQUET』、7年ぶりに発売するCD『Dive into the Thunderbolt』そして「桜華」というアーティストについて詳しく聞いてきた!
Q. 『BANQUET』はいつからやっているイベントですか?
桜華:2014年からやってます!
コロナでの空白期間がありますが、来年で10周年の長寿イベントです。
初めの方は2年間で4.5回やったりしてたので、回数で言うと今回は11回目です!
Q.BANQUETを開催し出したきっかけは?
桜華:club MERCURYスタッフ1年目を迎える際にオーナーの奈須田さんから「イベント組んでみないか?」とお声掛けがあったのがきっかけです。
ただ奈須田さんからすると俺はイベンターの位置付けだったらしく、演者として出演するのは誤算だったみたいで、提出した詳細を見て「え、お前も出んの?」って言われたのを覚えてます(笑)
俺としては出ない選択肢の方が無かったんですけどね!
ーー そこで終わりじゃなく続けるのも決めてたんですか?
桜華:いや、俺としては単発のつもりでした!
そしたらイベントのラスト、俺の出番が来る時に奈須田さんに呼ばれて「2回目さぁ〜」って言われて(笑)「今言う!?」「絶対今じゃなくない!?」となったけど、その流れで今もBANQUETは続いてるし、俺も演者としてやってます。
ーー え!?BANQUETが無かったら今は演者やってなかったんですか!?
桜華:そうですよ!
元々はバンドマンだけど、その当時は作曲家だしDTMerな裏方だったので、奈須田さんが言わなかったら今のこのスタイルの《桜華》は生まれてないです!
Q. 今回の出演者の選考理由を教えてください
桜華:BANQUETって「華を添えにきました」とか「盛り上げに来ました」みたいな演者は必要無いんです。「俺が、私が、このイベントで1番目立ってやる!」っていう野心をギラつかせられる人を選考の対象にしてます。
普通の仕事でもそうだと思うんですが、自分のために一生懸命働いて利益を出してる人って、本人も出世したりして良い思いを出来ますが結局は会社のためになってるんですね。
つまりは結果、BANQUETのためになるんです!
各演者が「お膳立てありがとう桜華」って感じで自分自身の活動のためにMAXのステージを演じてくれる、主催である桜華を喰ってかかってくれる『殺り合える奴ら』が今までも含め、今回も今後も出演しています。
Q.イベントの見どころを教えてください!
桜華:BANQUETはシンガー、DJ、アイドル、歌い手等が出演するいわゆるオールジャンルイベントなんですが、今回告知で「うちが本物のオールジャンルだ」と豪語したんです。
オールジャンルをやる理由って原則、他の界隈からファンを付けられる事だと思うんですよ。
ですが、ぶっちゃけると他所のオールジャンルイベントって演者からの気迫が感じられない事が多いんです。
イベントって勝ち負けは無いんです、でもそのイベントで1番のインパクトを残す“勝者”は居るんです。
BANQUETはその勝者を全員が目指す究極の身内ノリイベントなんですよ。
あえて「身内」という言葉を使ったのは、以前から公言してるんですがBANQUETでは来場されるお客様もイベントを盛り上げてくれる「出演者」という位置づけだからです。
だから《究極の身内ノリ》
ーー ほー!!なるほど!!熱い良いイベントですね!
桜華:でしょう!?!?
全員がイベントに対して熱量を発揮する、これこそがBANQUETの魅力です!
Q.新しく発売するCDについてお聞かせください
『Dive into the Thunderbolt』
前作”PHANTOM OF REGINLEIV”から7年の月日を経て『リンクしていくマルチバース』をコンセプトに制作された6thアルバム
収録までの4年間ライブの開幕を支え続けた『ガトリングパラレル』や絵本のような物語『Rabbit & Dragon』、究極の推し愛『E.N.A』等を収録
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桜華:7年ぶりのナンバリングアルバムで6th、制作したCDとしては9枚目となります。
今回今までのCDとは全然違うんです。
今まではあくまでVOCALOID楽曲、ボカロPとしてアルバムを制作していましたが、今作はライヴで演れる楽曲がメインのピコリーモ感溢れる1枚です
アルバム名「Dive into the Thunderbolt」の名を冠する通り、聴いてくれた人の心に雷鳴を轟かせるような衝撃の世界へご招待します。
俺、歌詞も実はめちゃくちゃこだわってるんです!
勢いと曲のイメージとシャウトであまりわからないかも知れないんですけど、ここ2、3曲はYouTubeに歌詞も載ってるんで桜華の深淵に触れたい人は是非見てほしい!めっちゃ考えられてるんで!
ーー へぇー!私も見ながら聴いてみますね!
桜華:是非とも!!
韻を踏むのもそうなんですけど、強そうに聞こえるために使ってる技法とかも含まれてるんで!
ただ歌詞見ながら曲聴くのは一回でいいです!笑
あとは音楽を体感してほしい!
Q.久々のリリースだと思いますが、今回リリースに至ったきっかけを教えてください
桜華:現在桜華のステージをご覧になった事があるお客様の大多数が「桜華はピコピコした変則ハードコア楽曲とシャウトヴォーカル」と認識してると思いますが、実は前作をリリースした際はまだこのスタイルが自分の中で始まったばかりの発展途上だったんです。
この7年でただ叫んでいただけのシャウトから発声に変化をつける技法や、新しく、それでいて不自然に感じない変則の技法、楽曲の打ち込み方などをたくさん学べたなと感じた段階でのBANQUETの復活。
最高のタイミングだと感じています。
ーー BANQUETを開催することの方を先に決めてたんですか?
桜華:そうですね!
昨年の段階でマスクありで声出しが解禁になったので「来年は開催できる」と思い、CDも作る事を決めました。
Q.イチオシの一曲をあげるとしたら?
桜華:やはり『E.N.A』ですね!!!!
プロコスプレイヤーのえなこさんが大好き過ぎて作ってしまった1曲です✨✨
ざっくり言うと「えなこさんが好きすぎてDNAが書き換わり僕は一つ進化しました」って曲で、アルファベットで『D』の次は『E』、そしてそれを当てはめたらえなこさんの【ENA】になる!!はっっっ!!俺は進化したんだ!✨✨という大発見をしてファン心理で作りました!
ーー いや、天才ですねwwww
桜華:そうでしょ!?
これ発表したライブの時に同じ話をしたんですけど、最前列が笑い崩れましたね。笑
ただここで問題が発生して、CD毎にアルバム名を冠した、いわゆる表題曲が今回のアルバムにもあったんですが、今回その座を奪い取ってしまったのがこのE.N.Aなんです。笑
今は誰でも何かしらの「推し」がいる世の中ですから、聴いてくれている人が曲中のどこか一部分でも自分自身と重ねられる箇所があればいいなぁと思って作ってました。
ここからは≪桜華≫さんご自身についてお伺いします
Q.桜華さんの経歴を教えてください!
桜華:4歳から28歳までエレクトーンを習っていました。
中学3年の時に初めて作曲を独学で始めて、高校1年から22歳までバンド活動をしていて、高校3年の時に初めてMERCURYに出演しています。
23歳から”桜華”としてVOCALOIDとDTMでの活動を開始
大きな成績としては当時昼夜問わず熾烈なランキング争いが繰り広げられていたニコニコ動画のVOCALOIDランキングで最高7位を獲得した事、
中堅ボカロP達の、しのぎを削る投票争いが発生していた当時のJOYSOUNDで5曲配信している事、
KONAMIのアーケードゲーム、【SOUND VOLTEX】【ドラムマニア】【ギターフリークス】の3機種に1曲『デストロイマーチ』配信されている事ですね。
ーー へぇー!みんなゲームセンターで遊べてたんですね!
桜華:そうです!
当時の最高難易度で採用されまして、知り合いの音ゲーマーに「なんて曲作ってんですか」って言われました(笑)
Q.どういう時に曲が浮かんだりしますか?
桜華:基本的には好きな曲を聴いた時に創作意欲が湧きます。「俺もこんな曲作りたい!」って感じです。
こうみえても物心付く頃からYAMAHAでしっかり音楽理論を習ってきたので理論を用いても作れますが、極力パッションの赴くままに制作する事を心がけています。
僕の音楽って好みが分かれると思うんですが、好きな人にはとことん刺さる音楽だと自負してます!
あと、桜華の曲のことは嫌いでも桜華のことは好きになってほしい!!!
ーー どっかで聞いたことある台詞と真逆のことを言ってる!笑
Q.活動において大事にしている事、ポリシー等あれば教えてください
桜華:制作に関しては実は特に無くて、むしろ自分の好きなものだけを作ってるのに評価していただけてるので大変ありがたいです。
むしろ”自分が好きじゃないものは聴きたくないし作りたくない”がポリシーみたいな所あります。
ライヴ活動に関しては「ステージが終わったら舞台袖で死んでも構わない」を信条にしています。
“桜華のライヴを観に行く”という事をお客様にとって特別な日にして欲しいんです。
義務には決してしてほしくなくて、前日からずっとワクワクしててほしい。
だから毎ステージスタミナの欠片も残さないように200%で命をかけて挑んでます。
Q.桜華さんの強みはなんですか?
桜華:キャラクターと活動の物珍しさだと思います。
自分で言うのも何ですがやってる音楽ジャンルの割には親しみやすいキャラだと思います。
ーー そうですね!めっちゃキャッチーなお兄さんですよね!
桜華:キャッチーでポッピーな人間です!
初めて物販に来てステージとのギャップに惹かれたと言ってくれた人もいますし、あと俺は人の顔を覚えるのが得意な方なので一度お話したお客様はほぼほぼ覚えてます。
今でこそ当たり前にイベント出てますが、活動は厳密に言えばシンガーでもないし、ましてシンガーソングライターというカテゴリーでもない、そしてボカロPというにはボカロ曲はあまり投稿していないし、DTMerや作曲家というには制作の幅が極端過ぎるんですね。
でも俺って結構パイオニアというかフロンティアな所があって、今はどこかには居ると思うんですがVOCALOID+肉声ヴォーカルの楽曲を発表したのって2015年当時に調べた時は僕だけだったんですよね。
そして2014年にBANQUETが発足した際に“ボカロPがVOCALOID自作曲を制作してセルフカバーする”というスタイル、これも長い間俺の専売特許みたいなものでした。
ーー 「でした」?過去形ということは?
桜華:現在同じスタイルで大活動されているのが米津玄師さんなんです。
ーー はっ!!!!!ほんとだ!!!!!
桜華:そうなんです。
実は俺の方が先でした!
そのネームバリューを轟かせ切れなかった悔しさはありますが「知る人ぞ知る」的な感じで知ってもらえてたらなとは思います。
Q.今後の展望を教えてください
桜華:今活動しているジャンルのピコリーモ、馴染みが無いと思うんですがこれはピコピコ音+スクリーモという意味なんですが、このスタイルは何でもアリなんです。
メタルなイントロの次にバラードのAメロが来てもいい。
8bit音の中ラップを歌ってもピアノの伴奏でデスボイスを発してもいいんです。
いつの日かまだまだ世間的には珍しいジャンルであるこのピコリーモが世間にもっと周知された時に、桜華を知ってる人が「これ桜華が◯◯年前からやってるやつやん」って思える、桜華がその人達の音楽のパイオニアであり続ける事が自分の生きる理由です。
Q.読者へメッセージをお願いします
★AMAZING★
ここまで読んでくれてありがとう!長かっただろう?俺なんてコメントの下書きに4時間もかかったんだ!(泣)
いつも会場で応援してくれている人は俺が短いステージの間に全身と音を使って君達に伝えようとしてる事を今回は文字にしてみたぜ。
ボカロP時代から遠い場所で応援してくれている人は桜華のライヴを少しは見てみたくなったんじゃないかな?君達の参戦をずっと昔から心待ちにしてるよ!
この記事で初めて桜華という人物を知った稀有な人もいるかも知れない。そんな君はまずはYou Tubeにある楽曲で桜華をもっと知って感じて欲しい。
君達が俺と俺の楽曲のファンであり続ける限り桜華は10年経っても20年経っても君達にとって最も身近な芸能人としてインパクトを提供出来るのさ。
例え70歳になっても一緒にBANQUETしようぜ!
ーー ありがとうございました!
実は私、西山(白梅庵の中の人)と桜華さんは元同僚。
BANQUETは何度も見てきたし、その熱量の高さもよく知っている。
演者だけではなく、お客さんも演者並みに汗を流し体力を削る他ではなかなか類を見ないイベントだ。
元同僚でよく知った間柄なのに、今回改めて話を聞くと「桜華さん、すごい人やん…!」と何度も感じ、そしてやっぱり見た目とは裏腹なPOPなお兄さんで安心もする。
7年越しのアルバム「Dive into the Thunderbolt」では一皮むけた桜華さんを是非ご堪能下さい!